伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」「オーデュボンの祈り」

伊坂幸太郎はミステリというより純文学方面。青春小説。なので「重力ピエロ」が「このミス」3位っては私には違和感あり（謎があれば何でもミステリーって基準なのか？）。3作読んでみて、新しい作品ほど好き。どれもきれいにまとめようとしてる感じ。「アヒルと…」で伏線が収束していくところは素直におおっと唸る（目新しい手法じゃないのかもしれないけど）。再読必須。
が、テーマが毎回似ているので、他人に勧めるのは迷うところ。ストーリーより一つ一つの文章が肌に合えば読めるのでは？
たそがれSpringPoint経由で見た同時代ゲームによれば、

村上春樹の文体をもっと稚拙にし、情景描写を少なくし、物語構造を平易にした感じ

らしい。春樹はきっと合わないだろう（優柔不断男の他力本願的流され人生録は読んでいてイライラする）と思って全く手を出さないでいた*1が、そういう感じなのかぁ。そろそろ読んでみるか。

読んでる間ずーっと似てると感じていたのだが、「このミス'03」のインタビュウで”本多孝好が好き”と言っていて納得。あの感じが大丈夫なら読むとよいかと。あとは仙台人。

*1:「ねじまき鳥クロニクル」を10ページで挫折した