夜に旗を振る

※音楽とか文房具の話とか。個人の感想です。

フジファブリック LIVE TOUR2015"はじまりましツアー" @松本Sound Hall a.C

※曲目ネタバレを含みます。ネタバレを避けたい方はMCまとめ以降ご注意ください。


いつかアウェイ山雅戦で行きたいと思っていた松本へ先にライブで来た! 昼間は暴風と雨で傘も飛ばされかける天候の中、蕎麦やら城やらレトロ喫茶やらカエル通りやらをまわってから会場へ。Sound Hall a.Cのクロークは入場後。もぎりの先のテーブルで大きいビニール袋を渡されて詰めるタイプでした。300円。

そこそこ番号が良く端だけどかなり前のほうへ。始まってから押されることもなく、こんなに快適に最前で見られることはめったに無い。利き目の問題というか、自分の右側にあるものの方が見ることに集中しやすいからだいたいチャンダイ先生側に立つんだけど、ステージが低いから普段見られないチャンダイの手元を上から見下ろすという貴重なアングルで楽しませてもらいましつぁー。

スピーカーが近く開演前BGMの段階でかなり耳に負担がかかりそうだったので、即ライブ用耳栓を着用。今回はこれ。

終演後全く耳が痛くなくて超快適。音圧を減らすので演奏の迫力が落ちてしまうけど、音はちゃんと聞こえて、慣れてくればノリにあまり影響はないかな。ただ、自分の声が聞こえなくて、客歌うパートで音が取るのが難しかった。前回使ったものはつまみ部分に接合の筋が入って引っ張る時につまみが切れそうになったけれど、こちらは一体成型。




※ここからネタバレを含みます。


MCまとめ

  • 昨夜松本入りして深夜街を徘徊していた山内加藤。別行動していたのに2回鉢合わせして二人仲良くラーメン屋へ。総「松本って意外と都会だなぁって。マクドとかあって」君の都会の基準は…
  • 松本と言えば蕎麦。ご一行がお昼に食べた蕎麦は「透明な蕎麦」
  • メンバー紹介金澤編:デビュー10周年でいろいろ音楽的な活動をやっている中、ずっとレシピを作っていた先生。ダ「去年はずっとそれやってましたね」総「いくつ作ったの?」ダ「50の半分だから25?アルバム2枚分?」総「曲よりレシピのほうが多いねー」
  • バックステージにおやきがあったことから金澤先生のおやき談義。客「中身はー?」ダ「野沢菜とか」客「あー」ダ「あーって、じゃあ何」客「切り干し大根!」ダ「普通でしょ」客「えっ」
  • 金澤先生がなぜこんなにおやきに詳しいかというと。「ふるさと助成金って自治体に1億もらえるってのあったでしょ。あれでおやきの学校をつくったんですよ」縁もゆかりもないのに!
  • メンバー紹介加藤編:総「ベーシ… 」加「??」ベース?ベーシスト?
  • 客のボリュームを操るベーシー加藤
  • メンバー紹介で加藤さんの番になると、ちょっと下がって飲み物をいただく金澤先生にすかさず加藤さんが「自分終わったからって休んでるの?」ダ「(いやいやいや)そんなことないですよ。スタジオへお返しします!」
  • そのまま次の曲へ行こうとする総くんへ加藤さんが「忘れてる、BOBOさん!」
  • 長野との縁を語る山総。乗鞍に行って木に目がついてるおみやげを買って帰ったとか、 ”カタチ”の歌詞に出てくるゴリラのぬいぐるみは蓼科高原で買ってもらったものとか(そして、今はもうない)。
  • Repeat after Souichiro!
  • 長野に住みたい、ある日突然駅前で楽器屋やってても受け入れてほしいという山総
  • 新潟からの移動中にiPhoneをなくした山総。結局移動車の中に落ちてた→「これ付けてたら無くさなかったのになぁ」と後ろから出してきたのはグッズのケース付きiPhone
  • バタアシでハンドマイク山総→チャンダイにマイク向ける→そのタイミングは二人同じメロだよ!とチャンダイに突っ込まれる
  • やっぱりなぁ、桜の季節にはギターは2本欲しいわー。名越さんカムバック!
  • 私の前、最前列の端に小学生位の女の子がいるのに気づいたダイちゃんが手を振ったりしてたんだけど、総くんがアンコール終わりでダイちゃんに“お前行けよー(ニヤニヤ”ってけしかけて、ダイちゃんがスタンドから総くんのピックを取ってプレゼントしてたのが本日のハイライト。目の前でいいもん見させてもらいました。

メモ

ちょっとした分析のようなこと

セットリストを見るとすぐわかるが、今回はLIFEツアー演奏曲+志村曲入れ替え+未演奏曲追加。武道館との違いはたった5曲だけ。リリースのないツアーは3人になってから初めてで、一体どんなコンセプトで曲を揃えてくるのか興味津々だったが、ここまで同じにしてくるとは。


このツアーは武道館を折り返しにしたLIFEツアーの第2幕なんだ。3人で「若者のすべて」を演奏することは、4人の頃のフジと3人になってからのフジが同じフジファブリックというバンドであるために必要な通過点だっただろう。*1 武道館というマイルストーンを経験した後に、再びLIFEを演奏するとどうなるか。その中で「若者のすべて」と対になっているのが「花屋の娘」。志村くんのイメージが染み付いた曲を3人で演奏することに対して、武道館を挟んでなにか変わったのかも?と思える選曲だった。あぁ、初日にこのイントロが流れた時、どんな声があがったのだろう。その場にいたかった…… 初日は行かないとなぁ。


※3人で「花屋の娘」をフルで演奏するのは今回が初だけど、実はやってるんですよね、2012年徒然流線ツアーで。

「Mirror」のインプロパートで他の曲のフレーズを入れる箇所があったんですが、その中でちょろっとやったのを見ました@新潟。なので、3人で演奏する敷居は、それこそ「若者のすべて」よりは低いんじゃないかと思ってたんですが3年待つことに。


はじまりましとLIFEのセットリストを比べて、ライブの構成で色分けしてみたのが以下の図。

こう並べてみると、去年のツアーとの相似がよく分かる。序盤や後半の盛り上がりはだいたいおなじみの曲が続くが、今回見ていて”あぁ、そうだったのかぁ”と腑に落ちたのが中盤の青いパート。LIFEツアーの時にこれだけは書き留めておかなくちゃ、思っていたけど重要なネタバレになるので伏せ字で書いていた。

"中盤の選曲"というのは「赤黄色の金木犀」と「若者のすべて」2つの志村曲のことで、"中盤の最後に演奏する曲が多分このセトリのキモ"ってのは「カタチ」を指している。はじまりましでこの位置に「カタチ」をまた持ってきたことは一連の「LIFE」にまつわる流れの中でこの曲に込められた想いの大きさの表れだと、思っている。

新曲について

タイトルもリリースも決まっていないまだ荒削りな状態と紹介されアンコールで演奏された新曲は、1番と2番で語り手が変わる。新宿を舞台に夢を追ったりあきらめかけたりしている男女の一人称。お互いを見ているのか、無関係なのか。作者が誰なのかは言ってなかったが、総くんだとすると、「物語」の作り方を模索しているのかな。「LIFE」で自分の経験と考えを形にする過程を経て手ごたえを掴んだけど、それはあくまで自分の視点からの世界。他人の世界に入って心を掴み取る形まではまだ到達できていない。「僕の経験/物語」から「あなた/誰かの物語」を生み出すためのチャレンジをしているのではないか。
音作りについては、ダイちゃんのシンセが入ってなければ最近の若いバンド(って雑な言い方で申し訳ない)が出しそうな音で、こういうのをフジがやる必要あるのかな? ここからフジっぽくしていくのだろうか。これをこのままフジとしてだすことはないのかな。まだプリプロ段階でしょうかねぇ。

再び、分析のようなこと

今回のツアーにあたって「今まで行ったところの無いところへ行く」と言っていたのだけど、首都圏は冷遇されてるのに対して地方はLIFEツアーで行った会場もいくつか含まれている。ということで、比較してみたのが下の図。

前半戦は本州の真ん中あたり、かつ LIFEツアーで行った場所の周辺ばかりなのに対して、LIFEツアーで回った都市はすべて5月の中断期間以降に集中している。この配置と前半戦のセットリストから推測するに、前半戦はLIFEツアーの第2部、5月はレコーディングに当てて、後半は新作(BOYS盤?)のお披露目になるんじゃないのかな。LIFEツアーとほぼ同じ内容を同じ場所でやっても芸がないので、後半戦はセットリスト変えてきますよね?来るよな?来い!

ってことで、前半戦ファイナルの六本木でなにか告知してくれませんかね!!待ってますよ!!!(飢え)



セットリスト

フジファブリック LIVE TOUR 2015 "はじまりましツアー" @松本 Sound Hall a.C (Start 19:00)

Vo.Gt. 山内総一郎 / Ba. 加藤慎一 / Key. 金澤ダイスケ / Dr. BOBO

(★が付いたものはLIFEツアー演奏曲)
01. LIFE ★
02. 虹
03. Sugar!! ★
04. efil ★
05. WIRED ★
06. シャリ― ★
07. 環状七号線
08. ブルー ★
09. カタチ ★
10. ホーランド・ロップ
11. 夜明けのBEAT ★
12. 花屋の娘
13. バタアシ Party Night ★
14. Magic ★
15. 銀河 ★
16. はじまりのうた ★
[アンコール]
17. 桜の季節 ★
18. (新曲)
19. STAR ★

*1:それはファンにとってでもある