夜に旗を振る

※音楽とか文房具の話とか。個人の感想です。

遙洋子 「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ


タレント業並行しながら東大大学院で社会学を学ぶ著者の"ビルドゥングス・ロマン"(斎藤美奈子の解説より)。先人の文献の山をひたすら読み続けても、わからないうちはわからないことがわからない。質問を求められても分からなければなにを質問すればよいのかがわからない。分からないからまず自分の頭を疑う。あーっ、自分がなんて馬鹿なんだと思う気持ち、痛いほど分かる。しかし、遙洋子は自分が不合格になった大学でジェンダー論を講義するまでになるのだ(その講義での学生の質問ってのがまた安易で唖然とする)。
枠を疑うことができる人間が枠の向こうの新たな知にたどり着くことができる。でも、実社会でそんなことを言うと可愛げがないとか言われる現実。
これ単行本時に20万部売れてるそうです。読んだ男性はどう思ったんでしょう。それが知りたいです。