舞城王太郎 「熊の場所」
「極西文学論―Westway to the world」を2章まで読んだが、言及されている作家のうち既読は吉田修一だけだからなのか、著者がこだわる「場所」に対する考え方への理解が実感できないので、ちょうどノベルス化された舞城を読んでみることに。「世界は密室でできている。」は何が言いたいのかよくわからなくて 「好き好き大好き超愛してる。」は3ページで積読のままなだし、"暴力的な描写"は苦手なので多少不安だが。
読んでみた。面白いじゃん。
帯には「圧倒的な文圧」とあるが、圧力は上下方向(重さ)ではなくて横方向(速度)にかかっている。ページを開くとびっしり文字が詰っているのにダーッと読めた。速読法とかやってないから読書=頭の中で音読(だから読むのに時間がかかる)していると、音声にするリズムと文章のリズム(語り手の語るリズムってことか)が上手くハマるのだ。
「煙か土か食い物」も続けて読むことにした。