舞城王太郎 「煙か土か食い物」
連続殴打事件の謎解きに見立てやマンガが出てきたときは「コズミック」みたいなオチになったらどうしようかと思った(ならないならない)。猛スピードで繰り広げられる四郎の思考に本筋と関係ないことが混ざると、読んでる自分の頭の回転の息抜きになって疲れを感じない。よく出来たリズムだ。喧嘩描写を速攻で読み飛ばしても読んだ気になるのは文字面とリズムが合ってるからなんだろうか。「熊の場所」を先に読んでいたから終盤に現れる家族観あたりを見ると、非エンタテインメント系の純文学に行ったのもなんかわかるように思えた。