速水健朗 「自分探しが止まらない」
- 作者: 速水健朗
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/02/16
- メディア: 新書
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「ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち」が面白かったので前著のこれも読んでみた。こちらも面白かった。付箋してたのは↓のようなところ。
- 「あいのり」では、他者との関係性の問題である恋愛が「自分」探しの物語としてつくられ、そのことに視聴者は共感している
- 若者にとっての「やりたいこと」とは他人とのコミュニケーションの中から見つけるものではなく、自分の中に先天的に存在し、自分だけが発見できるものである。だから就職活動=自分探し、となる。
- 「13歳のハローワーク」の問題点は、好きなことや自分のやりたいことだけが前面に出され、誰もやりたくないことを進んでやることに対する価値への配慮が抜け落ちているところ。
- いわゆる最近の若者(真性団塊ジュニア)の自分探しは個性重視教育によって生まれた面もある。教育方針に素直に従うような真面目な子ほど、あるはずと教育されたところの自分を探してしまう
著者は自分探しする人を食いものにするビジネスを「自分探しホイホイ」と名付けて、例のホワイトバンド騒動や高橋歩の件などを挙げている。下世話だけどこういう話が一番面白い。
自分はここにいるのに探してどうする?*1と思ってるんで、わりと他人事に読んでいたんだけど、この中で自分探し系雑誌として槍玉に挙げられてる某誌、私読んでた(汗) オサレ系アウトドアグッズカタログとかフェスに着てる人のファッションチェックとかそういう観点で見てて、自分探したよ!的な記事はあーそうよかったね程度に読んでるけどもね。俺も探してるのか…?
*1:by 森田忍