夜に旗を振る

※音楽とか文房具の話とか。個人の感想です。

上橋菜穂子 「精霊の守り人」

精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)


ますます通勤時間が短くなり、去年はほんとうに本を読まなかった。*1 読んだとしてもマンガ、雑誌や新書ばかりで、物語を必要としてない時期なのかなーと漠然と思っていた。前は一晩で京極1冊読破できてたけど、今長い小説の一気読みなんてしたら頭が持たないと思う。でも、今年はちょっとペースをあげて行きたいので、リハビリとして今年の1冊目は絶対面白いであろうこれにした。それでも3日かかったけど。

こちら側とあちら側が微妙に影響しあう世界で、国体を固めるために作られた神話と王族の権力争いを背景に、異世界のモノに取り付かれた皇子をめぐって過去を背負った強い女と刺客の戦い、影で政を操る星読みと在野の呪術師の頭脳戦が起きる。先住民の呪術や皇国建国伝説の謎も面白いが、なにより人物が魅力的な、30女が主役のファンタジー

人生を勘定するのは、やめようぜ
金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。


(p246)

*1:当然だが、買っては、いる